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【祝上映決定】『ジェントルマン』の見どころと 事前に知っておくべき たった一つのインド映画あるある

インド映画の秋到来

東京では毎年秋にインド映画上映イベントが開催されるため、首都圏のファンにとってお楽しみのシーズンだ。

今年も9月6日~26日まで、キネカ大森でインディアンムービーウィーク2019というイベントが開催される予定である。ここでインド東西南北の11作品が上映されるそうだ。

このイベントで私がかねてより日本で上映される事を切望していた、『A GENTLEMAN』というヒンディ映画が、『ジェントルマン』という邦題で公開される事が決まっている。

あまりに嬉しいので、この映画の好きな所をネタバレしない程度にまとめておこうと思う。

あとインド映画を見慣れていない人に1つだけこの作品を観る前に知っておいて欲しい事があるので、それもついでに書き添える。

 

以下、本国の公式予告編に含まれる程度のネタバレで進める。

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見どころその1 主演俳優 シッダールト・マルホートラがくっそかっこいい

 

<blo" dir="ltr">『A Gr.com/167_th/statts.js" cシッダールト・マルホートラは1985年生まれのヒンディ映画俳優。

2012年に『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!№1!!』で銀幕デビュー。この作品は日本でDVDがリリースされている、数少ないインド映画の一つ。

デビュー以来コンスタントに年1,2本の主演映画をこなしているようだが、日本で配給がついているのはこの一作だけである。

スラリとした体躯に筋肉質なボディ、セクシーなたれ目がチャームポイントである。 

『ジェントルマン』はそんな彼のカッコよさを鑑賞するための映画といっても過言ではない。

予告編を見てもわかる通り、堅実そうなビジネスマンと危険なスパイの2役を演じており、もうどこを切り取ってもシッダールトの魅力が噴出してくる、そんな映画である。

 

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この彼、勝手な推測でもし違ったらファンの皆さんに申し訳ないのだが、実はあんまりアクションとかダンスが得意じゃなさそうなのだ。それがいい。

こう、アクションに入る前に一瞬「がんばるぞ!」みたいな顔をする所が、かわいいのである。ぜひ注目してみてほしい。

 

 

見どころその2 ヒロイン ジャクリーン・フェルナンデスが美しすぎる

 

ジャクリーン・フェルナンデスも1985年生まれ。スリランカ出身ながらヒンディ映画の売れっ子である。

 見ての通りのゴージャス系の美女。

2019年にGAGAからDVDスルーでリリースされた『タイガーバレット』で、アイテムガールとしてダンスを披露している。

最近のインド映画では…と言えるほど私はインド映画に詳しくないのだが、女優が主役をはる作品も多くなってきたと言われている。

カングナー・ラーナーウトの『クイーン 旅立つわたしのハネムーン』とかヴィディヤー・バーランの『女神は二度微笑む』、最近だとザイラー・ワシームの『シークレット・スーパースター』などがその例だろうか。

でもジャクリーン・フェルナンデスはそういう演技派で鳴らす!という感じよりも、ゴージャスな美貌と大胆でセクシーなダンスでシナリオの粗を埋めるような、作品に華を添えるような、エンタメ路線の女優である。

日本にはゴリゴリの娯楽インド映画があまり入ってこないので、ジャクリーン・フェルナンデスが観られる機会は意外と貴重だ。

役柄もいいんだよね、上のツイートでも書いたが、平凡な彼氏にちょっと飽きているという設定。

最近私は、妙齢女性が結婚生活で悩んでたり独身を嘆いていたりするような生活感の溢れた漫画ばっかり読んでいるので、こういう豪快な設定が新鮮だし、最高。

 

見どころその3 ちょっとひねりのきいたアクションロマンス

本作の脚本と監督はラージ・ニディモールー&クリシュナDK。

誰やねん、となるかもしれないが、『インド・オブ・ザ・デッド』の監督と言えば、インド映画ファン並びにゾンビ映画ファンなら、ピンとくるかも…しれない。

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「きっと、うまくいかねぇ!」というどこかで聞いたことのあるキャッチコピーを引っ提げて、

あまたの名作インド映画を差し置いてなぜか日本で早々に公開されたインド発のゾンビコメディである。

この映画は「ゾンビ映画」という、定型スタイルが確立されたジャンルそのものを面白がる、という、ちょっとひねりの効いた作りが特徴だった。

ゾンビ映画あるある」みたいなものと「インド映画あるある」みたいなものを意図的にわかりやすく混ぜてみて、その化学反応でゆるーく笑わせる。メタで気の利いたシナリオが魅力。

『ジェントルマン』もそのスタンスが引き継がれていると思う。

美男美女が登場するアクション映画という、もう何十年も繰り返されてきたジャンルの「あるある」を踏襲したり、わざと定石を無視してみて観ている側に突っ込ませるような、力の抜けた感じがしゃれている。

もちろん、そこはインド映画。エンタメとして全力を出して観客をもてなす!だけど、たまに外してみる、という緩急が心地よい。ビールなんか飲みながら、ニヤニヤ観たくなる映画である。

 

『ジェントルマン』を観るにあたって踏まえておくべきたった一つのインド映画あるある

インド映画にはいろいろ特徴があるが、一人の役者が1つの作品の中で複数の役を演じる事が多い、というのもその1つ。

例えば『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』や『バーフバリ』がわかりやすい例だろうか。

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『オーム・シャンティ・オーム』ではヒンディ映画のロマンスキング、シャー・ルク・カーンが、『バーフバリ」ではテルグ映画の王子、プラバースがそれぞれ一人2役をやっている。

ただこの二作は、生まれ変わりとか親子2代とか、同じ俳優が演じる二つのキャラクターの生きる時代が異なっているので、日本人にも受け入れやすい例かも。

実際、インド映画の一人二役はもっと込み入っている。

あんまりネタバレになる例は挙げたくないので、日本でリリースされていない作品から例をとらせてもらおう。

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上は日本未公開、シッダールト・マルホートラと『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』で一緒にデビューしたヴァルン・ダワン主演の『JUDWAA2』という作品である。タイトルは『双子2』という意味らしい。

予告編を観るとわかる通り、主演俳優が同時並行で一人二役をやっている。

この作品も双子という設定なのでまあ説明は付くが、日本の映画だと、主演俳優が同じ時間軸で2役を演じるというのは、ちょっと珍しいのではないだろうか。

双子という設定なら、まだぎりぎり説明も付くが「そっくりさん」みたいな設定で一人二役がカジュアルに出てくるのが、インド映画の油断ならない所である。

一つの映画で好きなスターの2種類の演技が観られるとなると、ファンとしてはうれしい限りだし、制作側も何人も売れっ子俳優を起用しなくて済むので便利なのかもしれない。WIN-WINだ。

しかしこの一人二役が、日本人にとってはどうも慣れないとピンとこない気がする。

いくつか一人二役の作品を観たが、最初のころは「そんなんあり!?」という気持ちが先行して、その設定が明らかになって以降、集中して見られないと言う事もあったくらいだ。

『ジェントルマン』は上の予告編を観てわかる通り、シッダールト・マルホートラがゴウラヴという平凡なサラリーマンと、リシという危険な色男という二つのキャラクターを演じ分けている作品だ。

この二役を味わうのが本作の一つの楽しみなので、インド映画を見慣れていない方も、「インド映画では一人二役は普通」という予備知識を頭に入れて、ぜひ心置きなく楽しんでほしい。

ちなみにうちの夫はこの一人二役設定がうまく脳内処理できず斜め上の勘違いを起こしたことがある。

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おまけ 『ジェントルマン』の挿入歌

ガリーボーイ』でランヴィール・シンが自分のダンスシーンのラップを自分で歌っているというのは、今年のヒンディ映画の話題の一つだった。

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が、実は『ジェントルマン』の挿入歌の一部でシッダールト・マルホートラもラップを披露している。本当に一瞬だけどね。

 

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本作の予告編と撮りおろしのシーンを交えた色っぽいMVである。

予告編と合わせて、本編を観る前に気分を高めるために観ておいてもいいかも。

 

インディアンムービーウィークに期待!

インド映画はまだまだ日本に輸入されずらいジャンルである。

公式の供給が少ないので、最新作をチェックしたいなら独自にディスクを取り寄せて英語字幕で鑑賞するしかない、という状況だ。

そんな中、独自に日本語字幕を付けてイベントを再開する運営の方々にはいくらお礼を言っても足りないくらい。

ここでしか見られない作品も多いので、ぜひインディアンムービーウィークをお勧めしたい。

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